プログラミングの魅力に引き込まれ、気づけば学生起業。CIOが今思うこと。
今回は、創業者メンバーの一人であり、エンジニアとして活躍する原澤さんにお話を伺いました。家計簿アプリDr.Walletの開発や、全社のセキュリティを担当しています。創業時ならではの葛藤や、ご自身の仕事論についても話してくださいました。
中学生からプログラミングの魅力に引き込まれた
プログラミングに出会ったのは中学生の頃でした。きっかけはゲーム制作の動画で、普段遊んでいるゲームが自分でも作れることに驚きました。以来、その製作者のサイトを見たり、本を見ながら少しづつ勉強していきました。考えて書いたプログラムがその通りに動くことが楽しくて、その魅力にどんどん引き込まれていきました。
最初は、自分のプログラミングの力をゲーム制作に活かしたいと思い、筑波大学に入学しました。大学生活では、1、2年時はとにかく気持ちがキラキラしていまして、「なんでも面白いことをやってみたい!」というエネルギーが満ち溢れていました。実際に多くのタスクを並行していて、具体的には、高校時代から続けていた弓道部、お好み焼き屋でアルバイト、学類紙(学部で発行している雑誌)の編集部、学園祭実行委員会など、本当に多岐にわたって活動していました。
特に学園祭実行委員の情報部門では、Felicaを使ったスタンプラリーや学園祭の企画管理システムの運営を行っていました。その際に私のプログラミングスキルが認められ、1年次の終わり頃に先輩からエンジニアのアルバイトを紹介されました。最初はブログのテーマ開発から始まりましたが、段々とシステムの設計、開発に携わることができるようになり、アルバイトの立場ながら貴重な経験ができました。
入学当初はゲーム作成に注力したいと考えていましたが、人の役に立つ機会に恵まれたこともあり、プログラミングスキルを、「人の要望や問題解決のために活かしたい」と思うようになりました。
社長・黒崎との出会い「面白いことをやってみたい」
後にTOKIUMの代表となる黒崎とは同じ学類の同学年でした。1学年50人程度だったので、同じ教室で授業を受けていましたが、その時はほとんど交流はありませんでした。深く関わるようになったのは2年時の終わり頃の飲み会で、突然声をかけられたのがきっかけです。当時、黒崎がサービスを作るためのエンジニアを探しており、エンジニアのアルバイト経験を持つ私を狙っていたそうです。席が近くになるように、根回ししていたことを最近になって知りました(笑)。
後日、黒崎が他に声をかけていた人達と一緒にどんなサービスを作りたいかブレストをしました。「自分たちの手で0からサービスを作る」という話は新鮮で、何度も話をする中で「面白いことをやってみたい」気持ちが自分の中で膨らんでいきました。
「自分の人生をTOKIUMにつぎ込んでいくのか」という葛藤はあった
3年時は学業と両立しながら事業を立ち上げ、サービスの開発をしていました。その後、TOKIUMの事業に集中するため、休学を決めました。この休学は私にとって大きな出来事で、このまま就活をせずTOKIUMを続けていくのかを悩むきっかけとなりました。
それまでは、大学院に行って就職活動をして一般企業でエンジニアとして仕事をする、そんな多くの人が歩む人生になるだろうと思っていました。そこで突然ベンチャー、しかも立ち上げ期という選択肢が出てきて、みんなの就職先が決まっていく中、「このままここに身を任せていいのかな…」という懸念はありました。
悩みに悩んだ結果、「面白そうだからやってみる」に落ち着きました。このタイミングを逃したら会社を立ち上げるという体験には二度と出会えないだろう、とその状況を貴重なものとして感じていました。
また、ベンチャーは潰れる時は潰れてしまいますが、まだ若いので失敗しても次に繋げられると思っていましたし、「行けるところまで行ってみよう!」と前向きに捉えていました。
会社の危機「生き残らないとダメ。まずは自分の足で立てるように」
会社を続けていく中で、実際に何回か危ない時期がありました。印象的なのは社員が一気に抜けたタイミングです。当時は家計簿事業の「Dr.Wallet」をメイン事業として展開していましたが、会社の成長に伴いより採算性が求められる状況で「Dr.経費精算」にリソースを集中する方針になりました。家計簿事業に携わりたかった人たちにとってこの決断は、方向性の違いを感じさせる要因となり、結果として社員が激減しました。正直、社内の雰囲気も決して良いとは言えず、会社やサービスはこれからどうなるんだろう、という不安は常にありました。
しかし、最初に行けるとこまで行こうと始めに決断していましたし、そもそも黒崎自身がくじけていなかったので、そんなことがあってもTOKIUMから離れようとは思いもしませんでした。「Dr.Wallet」を大きくすることに注力したかったのが本音ですが、会社として生き残らないことには意味がありません。ずっとその立場に甘んじるわけではないし、まずは「自分の足で立てるように」と常に思っていました。
誰かの役に立つために「成長し続ける」
変化が大きい環境なので、「反省して成長していく」ということを仕事上で心掛けています。エンジニアでもあり管理する立場でもあるので、役割がそこそこ多いです。その中には苦手なことももちろんあります。例えばチャットで結論のみを伝え、過程を伝えないことが多かったため、提出する数字の認識のずれから仕事のミスにも繋がりました。今はまず認識を揃えるために、細かく確認するなど深いコミュニケーションを行うようにしています。
また、TOKIUMではミスが発生したときは、誰かのせいにするのではなく、組織の問題として捉えています。「誰かが責任を取れ」ということではなく、会社として、チームとして、今後の失敗を防ぐためミスを起こさないようにするにはどうしたらいいのか考える姿勢があると思います。私自身もこれをあるべき姿として常に心掛けています。
TOKIUMはまだまだ成長過程なので、自分も同様に成長していかなければならないと思っています。良くも悪くも変わりやすいのがベンチャー企業なので、これから入ってくる人は、変化を受け入れられる人だと馴染みやすいです。困難や不満がある中で、それをある程度受け入れ楽しめる人の方がTOKIUMと合っているのかなと思います。
どんな環境へ行くか悩んでいる人へ向けて
私は「面白いことがしたい」「プログラミングを人の要望や問題解決のために活かしたい」と思っていたときに、幸運にもTOKIUMという環境に出会えました。実際、エンジニアスキルを磨きながら、ユーザに価値を提供できるサービスを自分たちで開発できて、あの時決断してよかったと思っています。1年後でも3年後でも、理想の姿が描けているのであれば、それに近づけるような場所に行くのがいいと思います。
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